数学の教材のこと

 こんなことを書き始めたのは、部屋の片隅に置いてあって埃をかぶっている「空間座標の模型」を捨ててしまいたかったから。再び作ろうと思ったときに、「数学教室の2006年12月号に型紙が載っている」ということを、ここに書いておけば忘れてしまっても大丈夫だろうという発想から。
 だから、以下の長い文は、本当はおまけに過ぎない。


 のどの渇いていない馬に水を飲ませることが難しいように、好奇心のない者にモノを教えるのも難しい。なんとか興味を持たせようと様々な工夫をする。授業で扱っていることが実社会でどれだけ役に立っているかを切々と説く。人類の文化遺産で現代社会を生きる人間の誇りとして当然知っていなくてはならないと話す。
 結局のところ、Nと〜の今までの経験では、(計算練習であってもよいから)生徒に作業をさせるのがよいという結論に落ち着いている。先生の話しを聞いているだけでは欠伸が出てしまうのは、なにも高校生ばかりではなく、退屈な講師の講演会などでは立派な大人が鼾をかいていることもある。

 学校図書館は安易な方向に走っていて、とにかく図書室に生徒を呼ぶためには何でもするという姿勢。ファッション雑誌がありマンガがあり……。個人では購入できないような高価な書籍や雑誌などこそ購入し所蔵してもらいたいものだが、貸し出し数を伸ばすにはベストセラー類を持たなくてはならない。こんなところにも成果主義の悪影響があるように感じてならない。

 理科の授業で実験をすると、それがレポートを伴わない演示実験だったりするとなおさら生徒は目を輝かせて食いついてくる。理科の教員の腕の見せ所は、演示実験をただのパフォーマンスに終わらせず、いかに授業内容につなげていくか(または授業内容のまとめとして定着させるか)にあるかと思う。面白い実験だったという感想しか残らないようでは、学校図書館に安易にマンガを所蔵する司書と同じ。Nと〜の近くでは横浜物理サークルが熱心に活動している。

 数学も負けてはいない。Nと〜のお気に入りは日数教ではなくて数教協。雑誌『数学教室』や各地の研究会、全国研究大会などで様々な事例報告がなされていて刺激を受けている。

c0093386_23342639.jpg

 これは『数学教室』2006年12月号に載っていた空間座標の模型。愛知県の中村さんが報告なさっている。Nと〜は数学Bでベクトルに入る直前の試験返却時に時間を取って生徒に作らせた。すき間時間になりがちな返却時を巧く活用して次の単元への興味を引き出せた……とまでは言えないけれど。空間をイメージさせるにはZOMETOOLも素敵。カラフルで虚仮威しにはもってこい。

 同じく『数学教室』で紹介されていた「モンティホールジレンマ」は、最近どこかのブログだか掲示板だかでも取り上げられていた。中学校の確率を勉強した後で扱ってもよいけれど、高校での確率の導入で取り上げても面白いと思う。単元終了後に(すき間時間で)取り上げてもよいけれど、それが試験前だったりするとCだのPだのの計算をみんな忘れてしまいそう。
 オリジナル形は3つの中から1つを選ぶというモノだけれど、以下のように4つから1つを選ぶという形も、どこかで話題になっていた。
c0093386_23364852.jpg

 この場合、Drawfourが当たり。
c0093386_2338286.jpg

 伏せてある4枚から2枚を選びます。
c0093386_23385099.jpg

 親は、選ばれた2枚を確認し、どちらか一方の外れをオープンします。
c0093386_23401391.jpg

 このとき、伏せられたままの3枚のうち、どれを選ぶのが有利でしょうか?

 オリジナル形を理解したつもりになっている人でも間違えることがある。オリジナル形をただ「面白い」と扱っているとこの形であっさり引っかかる。

 どんな作業や実験でも「面白かった」で終わってしまってはいけないので、普通の授業の何倍ものエネルギーが必要。
 この『何倍ものエネルギー』の件と『学校図書館』の件は別の機会に掘り下げたいと思っている。
[PR]
by N-_-10 | 2007-07-27 23:56 | つぶやき


<< 終戦記念日 タクシー全面禁煙 >>