日本お笑い数学協会の「笑う数学」(KADOKAWA,2018年1月)を読んだ。面白かった。
突っ込むべきところもちらほら。Nと〜が突っ込んでおきたいと思ったのは次の5点。
18 数学小咄と数学とんち 数学者は主婦の作った正方形の中に入るべき。その方が広い。もっともっと面積の小さい図形、面積0の図形の中に入ればさらによい。
34 鍵を確実に相手に届ける方法 設定されている箱には、a、b2個の鍵穴があり、A氏がaの鍵、B氏がbの鍵を持っているということのようだ。a、bどちらかを施錠すれば箱は開かないということらしい。
箱の設定を少々変えると別解がある。
箱は鍵がなくても施錠できるものとする。そして、A氏は箱aを解錠する鍵がを持っていて、B氏はbを解錠する鍵を持っている。
箱bは相手に届けたいものを入れるだけの十分な大きさを持っており、箱aは箱bを入れることのできる大きさを持っている。
まず、A氏は施錠せずに箱aをB氏に送る。
箱aを受け取ったB氏は、解錠された状態の箱bを箱aに入れ、箱aを施錠してA氏に送り返す。
A氏は、自分の鍵で箱Aを開ける。箱Bを取り出し、届けたいものを箱bに入れ、施錠してB氏に送る。(箱aはA氏の手元に残る)
箱bを受け取ったB氏は、自分の鍵で箱bを開け、目的のものを入手する。 別解の優れているところの一つは、A氏のところに箱aが残り、B氏のところには箱bが残った状態でやりとりが終了するところである。もっと優れているのは、同様の大小2個の箱をそれぞれが持っていれば、誰とでも確実にものを届けることができること。
本解の設定では、特定の相手方との専用の箱が必要とされるのが残念。
設定を読み間違えていたらごめんなさい。50 鶴亀算を一瞬で解く裏技 川柳等の紹介という意味ではこの記事の解説になるのだろうけれど、裏技的には「
蛇蜥蜴算」の方が速い。
鶴と亀が、一斉に2本ずつの足をしまう。鶴と亀が合わせてn匹の場合、足は2n本減る。残った足の数の半分が亀の数。
「
蛇蜥蜴算」の名前の由来は、「鶴と亀だと難しいけれど、蛇と蜥蜴だったら、片方の足が0本なので簡単」というもの。Nと〜の知る限り、初出は20年ちょっと前の数学セミナー。
89 横軸をひろみとする 郷ひろみの「2億4千万の瞳」をグラフにしたものと思うけれど、校正ミスで縦軸が狂っているのが惜しい。
97 好きの想いは無限大?を問題風にまとめてみた 両方0という解もある。こっちの方が面白くない?